この記事ではHACCP (ハサップ:危害分析重要管理点) について詳しく解説しています。そもそもHACCPとは?HACCPの7原則とか12の手順とか聞いたことあるけど何なの?という方必見の記事となります。

HACCP (ハサップ) の概要

HACCP (ハサップ) について厚生労働省が下記のように定義しています。

厚生労働省サイト

厚生労働省のウェブサイト画面

HACCPとは、 食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。
この手法は 国連の国連食糧農業機関( FAO )と世界保健機関( WHO )の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。 厚生労働省

つまりHACCPとは、食品原材料の受入れから最終製品までの各工程ごとに、微生物、化学物質、金属の混入などの潜在的な危害を分析・予測(Hazard Analysis)した上で、危害の発生防止につながる特に重要な管理点(Critical Control Point)を継続的に 監視・記録する工程管理のシステムです。

これまでの抜取検査に比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能となるとともに、原因の追及を容易にすることが可能になります。


>厚⽣労働省⾷品安全部 監視安全課 HACCP企画推進室 資料参照

※HACCP企画推進室についてはこちら

HACCP(ハサップ)名前の由来

HACCPの名前の由来は、Hazard Analysis and Critical Control Pointの頭文字をとってHACCP(ハサップ)と言います。

英語の意味は、Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重要)Control(管理)Point(点)ですので、そのまま「危害分析重要管理点」と日本語で言われますが、長い言葉なので一般的にはHACCP(ハサップ)と日本でも言われております。

HACCPの7原則と12手順

HACCPは7つの原則と12の手順で構成されています。

HACCP7原則

  1. 危害要因分析に挑戦
  2. 重要管理点(CCP)を決めよう
  3. 管理基準(CL)を設定しよう
  4. モニタリング方法を設定しよう
  5. 管理基準から逸脱した時に取るべき改善措置を設定しよう
  6. HACCPが効果的に機能していることの検証の手順を設定しよう
  7. 文書化及び記録保管を設定しよう

HACCP12の手順

  1. チームを作ろう
  2. 製品説明書を作ろう
  3. 用途、対象者を確認しよう
  4. 製造工程図を作ろう
  5. 製造工程図を現場で確認しよう
  6. 危害要因分析に挑戦(7つの原則その1)
  7. 重要管理点(CCP)を決めよう(7つの原則その2)
  8. 管理基準(CL)を設定しよう(7つの原則その3)
  9. モニタリング方法を設定しよう(7つの原則その4)
  10. 管理基準から逸脱した時に取るべき改善措置を設定しよう(7つの原則その5)
  11. HACCPが効果的に機能していることの検証の手順を設定しよう(7つの原則その6)
  12. 文書化及び記録保管を設定しよう(7つの原則その7)

※HACCP12の手順の内、7 ~ 12は7つの原則と同じです。

HACCP7の原則と12の手順の詳細

手順1 チームを作ろう

製品を作るための情報がすべて集まるように、各部門の担当者が集まりましょう。
例)調達、工務、製造等

手順2 製品説明書を作ろう

製品の情報を整理するために、原材料や製品の規格、喫食又は利用の方法等を書き出しましょう。

手順3 用途、対象者を確認しよう

体の弱い人のための食品であれば、より、衛生等に気をつける必要があります。商品が誰にどのように食べられるかを書き出しましょう。

手順4 製造工程図を作ろう

製品の作り方がイメージできるように、原材料の受入から保管、製造・加工、包装、出荷までの一連の流れを順に書き出しましょう。

手順5 製造工程図を現場で確認しよう

手順4で作成した製造工程図に間違いがないか、製造工程が勝手に変更されていないかを現場で確認しましょう。

手順6 危害要因分析に挑戦

製造工程ごとに、「有害な微生物」や「化学物質」、「硬質異物」など、健康に悪影響をもたらす原因になるものが潜んでいるか考えてみましょう。

手順7 重要管理点(CCP)を決めよう

健康被害の発生を防止する上で、特に厳重に管理しなければならない工程を決めましょう。

手順8 管理基準(CL)を設定しよう

手順7で決めた工程を管理するための基準(例えば、加熱の際の中心部の温度と時間など)を決めましょう。基準は、色や形状など、必ずしも数値である必要はありません。

手順9 モニタリング方法を設定しよう

手順8で設定した基準が常に達成されているかを確認する方法を決めましょう。(例えば、中心温度計での測定や金属探知機、目視確認など)

手順10 管理基準から逸脱した時に取るべき改善措置を設定しよう

管理基準が守られなかった場合の製品の取扱いや機械のトラブルを元に戻す方法をあらかじめ設定しておきます。(例えば、再加熱や廃棄など)

手順11 HACCPが効果的に機能していることの検証の手順を設定しよう

ここまでのHACCPプランが有効に機能しているのかを見直しましょう。(重要な工程の記録を確認、温度計やタイマーの校正、改善措置は十分に対応できているか、製品検査、一連の流れに修正が必要か など)

手順12 文書化及び記録保管を設定しよう

各工程の管理状況を記録しましょう。HACCPを実施した証拠であると同時に、問題の原因を追及するための手助けとなります。(今使っている作業日報を少しアレンジして記録をとることもできます)

 

厚⽣労働省⾷品安全部 監視安全課 HACCP企画推進室 資料参照
※HACCP企画推進室についてはこちら

HACCP導入のメリット

下記のようなコメントがHACCP導入企業から挙がっているようです。

HACCP導入企業のコメント

  • 社員の衛生管理に対する意識が向上した。
  • 社外に対して自社の衛生管理について、根拠をもってアピールできるようになった。
  • 製品に不具合が生じた場合の対応が迅速に行えるようになった。
  • 品質のばらつきが少なくなり、クレームやロス率が下がった。
  • 衛生管理のポイントを明確にして、記録も残すことで、従業員の経験やカンに頼らない、安定した安全な製品が作れるようになった。
  • 工程ごとに確認すべきことが明確になった。
  • 従業員のモチベーションが上がり、現場の雰囲気がよくなった。


厚⽣労働省⾷品安全部 監視安全課 HACCP企画推進室 資料参照
※HACCP企画推進室についてはこちら

HACCPの歴史

HACCPの歴史

HACCPの歴史はこちらでも詳しく解説しております。

HACCPのはじまり

もともとHACCPはアメリカ合衆国生まれです。1959年当時、NASAの宇宙開発において宇宙食の安全性確保が非常に難しかった時代に、100%に限りなく近い安全性を得るための手段として、HACCPの元となる考え方をNASAの研究者が考案したのが始まりです。

HACCPの浸透

HACCPの考え方は非常に優れていましたが、アメリカの食品業界に受け入れられるまでには、約30年もの歳月がかかりました。

FDAサイト

FDA(アメリカ食品医薬品局)のウェブサイト画面

HACCPが一般の日常食品の衛生管理手法として提案されたのは、1971年4月の全米食品保護会議です。この会議では食品の微生物汚染に対する包括的防御方法の開発について議論されましたが、HACCPの提案はすぐには受入れられませんでした。

しかし、同年夏に、ボンビバン社製のビシソワーズスープ缶詰を原因とするボツリヌス中毒が発生するという凄惨な事件が起き、またキャンベル社やバンキャンプ社の缶詰にもボツリヌス菌に関する不適切な管理があったと判明したため、アメリカの缶詰会社全体の衛生管理手法とFDAの指導に対するアメリカ国民からの信頼は失われました。

この事件が発端となり、FDAはピルスベリー社にFDAの検査官16人を派遣し、HACCPの衛生管理手法の訓練を実施しました。その訓練の結果としてFDAは、HACCPを導入することとなったのです。

1990年代に入り、食品の安全性確保のため、米国政府はHACCPの義務化の検討を進め、水産食品、ジュース、食肉・食鳥肉の3食品に対しHACCPを義務化しました。

その後、約10年後に、全食品に対して義務化する食品安全強化法が本年成立しました。

FDAについてはこちら

HACCPの広がり

HACCPの手法は世界各国で導入が勧められています。日本ではついに飲食店への導入も検討されるに至りました。
世界の食品衛生は、HACCP義務化の方向に進んでいるので、日本でも食品企業においてHACCPの実施は必須となってきます。特に食品輸出の企業については、世界に通じるHACCPを実施しなければならないため、HACCPの理解を進めることが必要です。

最後に

HACCP JAPAN ではHACCPに関する情報を皆様にお届けしております。HACCPが食品衛生において無視できない存在となってきています。皆様にとって当サイトがHACCPに関する情報収拾だけでなくHACCPの知見を深めていくきっかけとなれますと幸いです。是非HACCP JAPANを引き続きご覧ください。

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